ビリヤードをしていると、手球と狙いたい的球の間に別の球があって、直接狙えないことがあります。
そんなときに使われるのがジャンプショットです。
手球をジャンプさせて邪魔な球を飛び越えるショットですが、初めて見ると、
「これってファールじゃないの?」
「手球を浮かせてもいいの?」
「下からすくって跳ばしているの?」
と思う人もいるのではないでしょうか。
実はジャンプショットは、正しい方法で行えばファールではありません。
ただし、手球の跳ばし方によっては正しいジャンプショットとはいえませんし、ビリヤード場によっては禁止されている場合もあります。
また、私自身、バックスピンをかけようとしたときに、なぜか手球がジャンプしてしまうことがあります。
この記事では、ジャンプショットの基本的なルールや跳ぶ仕組み、バックスピンとの違い、実際にプレーするときの注意点を初心者向けに紹介します。
ジャンプショットはファール?
結論からいうと、ジャンプショットそのものはファールではありません。
WPAルールでは、ジャンプショットとは、手球を的球やクッションの一部などの障害物の上を越えさせるショットとされています。
合法的なジャンプショットは、キューを立てて手球をプレー面へ打ち込み、その反発によって手球をジャンプさせます。
つまり、
「手球が空中に浮いた=ファール」
ではありません。
正しい方法でジャンプさせていれば、ルール上認められているショットです。
スクラッチや二度撞きなど、その他のファールについては、**「ビリヤードのファールとは?初心者が覚えておきたい基本ルール」**で詳しく紹介しています。
手球を下からすくい上げるのはジャンプショット?
ここは初心者が特に勘違いしやすいところです。
手球の下側へキュー先を入れて、手球をすくい上げるように飛ばす方法があります。
一見すると同じように手球がジャンプするため、ジャンプショットに見えるかもしれません。
しかし、これは正しいジャンプショットとは別物です。
WPAルールでは、キュー先がプレー面と手球に同時に接触し、それによって手球を浮かせる「scoop shot(スクープショット)」は、ミスキューとして扱われます。なお、意図的なミスキューについては、Unsportsmanlike Conduct(スポーツマンらしくない行為)の規定があります。
正しいジャンプショットは、
下からすくうのではなく、キューを立てて手球をプレー面へ打ち込み、その反発で跳ばす
というのが大きな違いです。
どうして上から撞くと手球が跳ぶの?
ジャンプショットを見ると、
「上から撞いているのに、どうして上に跳ぶの?」
と不思議に感じるかもしれません。
キューを立てて斜め上から手球を撞くと、手球はプレー面方向へ押し付けられます。
その反発によって手球が上方向へ跳ね、障害となっている球を飛び越えます。
そのため、手球をキューですくい上げているわけではありません。
この仕組みが分かると、ジャンプショットの見方も少し変わってくると思います。
バックスピンとジャンプショットは何が違う?
ジャンプショットとバックスピンは、どちらも手球の中心からずれた位置を撞くことがありますが、目的も撞き方も大きく違います。
ジャンプショットではキューに角度をつけ、手球をプレー面へ打ち込むことで、その反発を利用して手球を跳ばします。
一方、バックスピンでは手球の中心より下を撞き、手球に逆回転を与えます。
的球に当たったあとに手球を自分の方へ戻す、いわゆる**「引き球」**です。

ジャンプショットとバックスピンでは、キューの角度や手球への力の加わり方が違います。
ただし、画像はあくまで違いを理解するためのイメージとして見てください。
バックスピンをかけようとしたら手球がジャンプした!
私自身、バックスピンをかけようとして手球の下側を撞いたときに、なぜか手球がジャンプしてしまうことがあります。
「引こうと思ったのに、なんで跳ねた?」
という経験がある人もいるのではないでしょうか。
バックスピンをかけたいのに手球が跳ねてしまう場合は、キューが少し立ちすぎていたり、手球のかなり下側を強く撞こうとしたりしている可能性があります。
キューに角度がついた状態で手球を下方向へ押す力が強くなると、手球がプレー面へ押し付けられ、その反発によって少し跳ねることがあります。
つまり、バックスピンをかけるつもりでも、手球を下方向へ押し付ける力が強くなり、結果として手球が跳ねてしまうことがあるわけです。
私の場合も、バックスピンを強くかけようとして、
「もっと下を撞こう」
「もっと強く撞こう」
とすると、逆に手球が跳ねてしまうことがあります。
バックスピンをかけようとして手球が跳ねてしまう人は、打点だけでなくキューの角度にも注目してみるとよいかもしれません。
バックスピンで手球を跳ねにくくするには?
まず意識したいのは、必要以上にキューを立てないことです。
できるだけ通常のショットに近い角度で構え、手球の中心より下を撞きます。
また、強く撞けば強いバックスピンになるとは限りません。
大切なのは、手球の下側を正確に捉えて、キューをまっすぐ出すことです。
特に初心者のうちは、いきなり強烈な引き球を狙うより、弱めのショットから「手球が少し戻る」感覚をつかんでいく方が練習しやすいと思います。
ジャンプキューを使ってもいいの?
ジャンプショットには、通常のプレーキューより短いジャンプキューという専用のキューがあります。
ただし、使用できるキューについては、大会や競技、ローカルルールなどで条件が設定されることがあります。
実際に試合で使用する場合は、その大会のルールを確認しておくのが確実です。
とはいえ、私自身、ビリヤード場でジャンプキューを貸し出しているのは、ほとんど見たことがありません。
ジャンプショットを本格的に練習したい場合は、使用する道具についても事前に確認しておいた方がよいでしょう。
ビリヤード場ではジャンプショット禁止の場合もある
ここは、ルールとは別に注意したいところです。
ジャンプショットはWPAルール上認められているショットですが、だからといって、どこのビリヤード場でも自由にやっていいとは限りません。
ジャンプショットは撞き方によって、クロスを傷める可能性があります。
そのため、お店によってはジャンプショットを禁止していたり、店員への確認を求めていたりすることがあります。
初めてのお店でジャンプショットをする場合は、
「ジャンプショットをしても大丈夫ですか?」
と店員さんに確認してから行うのが安心です。
「ルール上できること」と「そのお店でやっていいこと」は別
と覚えておくとよいでしょう。
初心者が無理にジャンプショットをする必要はない
ジャンプショットは見た目にも派手で、成功すると気持ちのいいショットです。
ただ、初心者が最初から無理に覚える必要はないと思います。
まずは通常のショットやクッションを使ったショットなどを覚えて、そのうえで「こんな方法もある」と知っておくだけでも十分です。
私自身、ジャンプショットに慣れていない人が無理に挑戦すると、手球がテーブルの外へ飛び出してしまうなど、思わぬ方向へ行ってしまうこともあると感じています。
個人的には、こういう場面ではクッションを使って狙う方が好きですし、決まったときもかっこいいと思っています。
クッションショットの考え方やコツについても、今後このブログで紹介したいと思います。
ジャンプショットを練習するときは、クロスを傷めないためにも、経験者に教えてもらったり、ジャンプショットの練習が可能な環境で行ったりするのがおすすめです。
まとめ
ジャンプショットは、手球が空中を飛ぶため、一見するとファールのようにも見えます。
しかし、正しい方法で行うジャンプショットはファールではありません。
WPAルールでも、キューを立てて手球をプレー面へ打ち込み、その反発で跳ばす合法的なジャンプショットが定義されています。
一方、手球を下からすくい上げるようなスクープショットは、正しいジャンプショットとは異なります。
また、バックスピンをかけようとして手球が跳ねてしまう場合は、キューの角度や撞き方を見直してみるとよいでしょう。
そしてもう一つ大切なのが、ビリヤード場のルールを確認することです。
公式ルールで認められていても、お店ではジャンプショットが禁止されている場合があります。
ジャンプショットをするときは、ルールとマナーの両方を守って楽しみましょう。

